将棋の関連ビジネス、市場規模はどうやったら拡大するんだろうか

うちの会社にはスタッフが会社にもってきた、「主」のような将棋盤があります。なんと、利用開始から考えると軽く30年以上はたっている代物らしいのですがまだまだ現役で使えます。もう若い駒だと、明らかに風格負けしてしまって盤が駒を食ってしまうという問題があるものの、まだまだまだまだ活躍中です。この良いものが

消費者としては、それなりのものを買って大切に使えば、長く使えるというのはとてもありがたいことです。きっと環境にも良いので世界にとっても良いことです。

でも、ビジネスとしてはどうだろうかと考えると少し不安になります。

だって、数十年といったらもうそれはそれはすごい昔なわけで、テレビゲームでいえば、Atari 2600、インテレビジョン、ファミリーコンピュータ、スーファミ、メガドライブ、PCエンジン、プレイステーション、ゲームボーイ、3DS、Switchといったように、もう大変な数の名機たちがうまれ、たくさんの人たちが購入し、成功している企業は悪くない売上を上げることができてきたわけです。40年前のものが、いまだに現役で使えるって、これ消費者としてありがたい反面、ビジネスとしてとても心配になります。

職人的にしっかりとした仕事をしてくれている将棋盤や駒、関連商品を作っている人たちが継続していきたいと思ってもらえる環境や仕組み、そしてできれば新規参入者が増えるような魅力的な市場になるとうれしいなと思うんですが、そのためにはやはり普及あるのみなんですかね。何か良策あるといいなと思っています。

将棋を継続的に楽しむ人が増えない理由

将棋が好きな人って世の中にはそれほど多くはありません。かつて楽しいと思ったことがある人けど、やらなくなったという人たちやらなくなったという人はとてもたくさんいます。将棋をやったことがある人は非常に多いのに、将棋を継続する人はすごく少ない。ビジネスとして考えても、間口をひろげることに加えて、その中から定着してもらう人を増やすことはとても大切だと思うんですが、他のゲームやスポーツと比べると著しく低いわけです。ここを構造的に考えていくといくつか問題があるなと思ったという話です。

将棋を継続的に楽しむ人が増えない理由

1:競技人口が少ない
将棋って誰かとやると面白いのは間違いないんですが、子供たちが好きなポケモンやらサッカーやらと比べると圧倒的に競技人口が少なく、一緒にやってくれる人がいる率がすごく低いのは問題のひとつですよね。ネット対戦は増えてきましたが、それはある程度、好きになった後の人たちがやるものとなっているので、やり始めの時はいかに身近にたくさんの人がやっているかってとても重要。最初は将棋の面白さなんてわかるわけはなく、一緒に誰かとやるのが楽しいというのが自然で、そのうちに将棋自体の面白さに気が付くっていうのがいいと思うんですけどね。みんながやっていて、みんなとやるのが楽しい。これ、将棋を普及するためにとても大切かと思います。

2:ルールが直感的じゃない
駒の置き方、駒の動かし方などは、とにかく覚えないと将棋すらはじまりません。なので、ここらへんは以下に身近にそれを見せてくれる人が常にいるかが重要で、そうじゃない人は、ルールもわからないので見てても何が起こっているのか理解できませんしどっちが勝って、負けたのかも、どうして勝敗が決まったのかすらわからないという問題があります。サッカーとかってゴールがあって、ボールがあって、蹴った、入ったという感じで非常に直感的です。たとえば、強い駒はでかい、弱い駒は小さいとか、色で強さがわかるとか、そういうルール知らなくても直感的にわかる何かはないと、やってみたけど、なんかわかりませんでしたとなりがちです。そういった意味ではゲーム的な演出みたいなものって、好きではないけど、たぶん重要なんですよね。

3:勝てないので面白くない
将棋って基本的な駒の動かし方を覚えた後は、あるレベル以上の人たち同士で戦うと、定跡や手筋をどれだけ知っているかで勝敗が決まりすぎるところあるので、結局、勉強しないと勝てないという、偶然の要素がなく、何回やっても負けて面白くなくて、なんかやらなくなったという人をたくさん知っています。将棋好きからすると勉強しろという一言になってしまうんですが、一般の人たちは他のスポーツやゲームのように「やっているうちになんとなくわかってきて、うまくなって、そして勝てる」という常識が身についていると思うんです。しかし、将棋って勉強しないと、何回やってもずっと負けるっていうのが結構あるので、勝てないので面白くなくて継続しないという人が多い気がします。「楽しむために勉強する」ってたぶん、あまり一般的じゃないんですよね。そこを踏まえて、勉強しないでなんとなく楽しみたい人たちを受け入れられる仕組みや、その人たちが継続して楽しめる何かが絶対に必要なはずです。

4:勝てない人、弱い人、勉強しない人を受け入れる文化がない
これは勝負事なので仕方ないのですが、将棋って暗黙の了解というか、文化的なもので「これくらいわかってますよね」という感じで、説明にしろ、本の記載にしても、ずっと将棋をやってきて、将棋が好きな人に向けて、将棋が好きな人にが作っています。たとえば「以下、即詰みのため同飛で受けるしかありません」といった感じとかよくありますが、勝てないレベルの人だと「以下、即詰み」の何手かをまず想像できなくて、はしょられすぎててもうついていけないというのを結構みています。さらに、なんとなくやる軽い気持ちでやっているライトユーザの人たちを受け入れる文化がなく、勝てない人、弱い人、なんとなくはじめたふんわり組の人たちの居心地が悪い文化があることは間違いありません。「詰将棋もやらないのに将棋とかやっちゃだめだよ。そんなんじゃ強くなれないよ」的な発言をする人が多すぎて、ふんわりの人たちの将棋への興味を瞬殺していくのはよく見る光景です。

5:観戦派が理論上は成立しない
他のスポーツなどだと「やらないけど観戦するのは好きです」という人たちは結構います。私もテニスはまったくやったことがありませんが、テニスを見るのが大好きです。でも、将棋の場合、そういう観戦派が成立しません。なぜかというと、知らない人がみても、何をしているのかまったくわからないからです。将棋がわからない友人などとNHK将棋杯とかを見ていると、どっちが優勢なのかまったくわからないし、妙手の時に解説の人の説明の意味もわからないといわれます。つまり、見ても、聞いても、まったくわからんということなんだと思います。全く知らない人が見て楽しめる要素がほとんどないというのは、かなり厳しい一手で、見ているうちに好きになった、好きだから自分でもやってみようと思った的な展開がまったく期待できないのは普及の大きな壁です。乃木坂46の伊藤かりんさんなんかは将棋アイドル的なところでやってますが、この子のファンがいっきに将棋ファン化していくような流れなら裾野が広がるのですが、どちらかというとファンを将棋界につれてきてくれたというよりも、将棋好きな人たちの一部が、その子を応援し始めたという市場が広がらないパターンになっているのが玉に瑕ですね。乃木坂ファンの半分が、いっきに将棋ファンになりましたとなるのであれば、最高なのですがそうあまくはありません。

私は将棋が好きなので、もっと普及してほしいんですが、構造的に普及が難しいなと思うところがたくさんあります。こうして考えていくとどうぶつ将棋とかってわりと普及のために良い線いっていると思うんですが、あれも文化的な壁があって「どうぶつ将棋って将棋の下位互換でしょ。下だよね」みたいなところが、なんとなくあるあたり、一流なところになれない、文化的な問題をいろんなところで感じます。将棋がもっと普及するように、いろいろと方法を考えていきたいところです。