将棋本は数多くあれど戸辺誠七段と永瀬拓矢七段の将棋本が異彩を放ち、その目的を考えると頭が下がってしまう件について

伝統も大切だけど進化するための挑戦も大切です。それは将棋にもいえることで、将棋界全体から考えると、戸辺誠七段と永瀬拓矢七段の書籍の挑戦へのリスペクトをもっとみんながして、こうした挑戦をする人たちを応援すべきなのではという話です。

BMJの将棋部には将棋本が社内に100冊以上ありいろんな書籍を閲覧することができます。初心者や級位者向けから、高段者向けのものまでいろいろとあります。多くの将棋をはじめたばかりの人にとって、詰将棋や次の一手形式の本をのぞけば、多くの将棋本は構成から文章からすべてが難解なものでとっつきづらいことは多くの人が知ることです。

もっと普及のためにもわかりやすい本を出したらいいんじゃないかといったことは、多くの人が思うものの、ルールを覚えようとする超初心者の方向けはある程度、市場があるものの、微妙なラインの人たち向けというのは実は市場そのものが存在していません。

やってみて、おもしろければどんどんやって、あっという間に中級者になる人たちと、ちょっとやってすぐにやめてしまう脱落する人たちがいて、中級者のなかでもさらに上を目指す人たちは頑張って、難解な本になれるために努力をします。その結果、超初心者向けと、中級者~上級者向けという二極化する市場に落ち着くようになっています。

そうした中で戸辺誠七段と永瀬拓矢七段の2冊の本は、これまでなかった層に対して、また将棋本を敬遠しがちな層に向けた、取り組みがいっぱい盛り込まれていて、普及的な目線での意識の高さが垣間見えるものになっています。

◆戸辺誠七段の挑戦的な書籍
将棋DVD 攻めて強くなる戸辺流中飛車
*DVD付きの書籍

◆永瀬拓矢七段の挑戦的な書籍
永瀬流負けない将棋

この2冊、著者のお二人はもとより、企画、編集等にかかわった人たちにも、もっと世の中のリスペクトが集まってもいいはずというのが、当部の総意です。戸部先生の本にいたっては、ありそうでなかったDVD付き。そしてDVDの質の高さにも驚き、値段から考えると安すぎる、もっと売れるべきと声を大にしていいたいものです。この2つの書籍、どちらも普通に書くこともできたはずのところを、これまで取り込めていなかった層に対する訴求をねらって新しい取り組みが随所にあふれています。ずっと将棋界にいて、昔からの”将棋界の常識”のようなものが刷り込まれている人ほど、外部から見た時の問題点は、通常は気が付きにくいものです。それを内部にいながら感じ、なんとかしようとする姿勢を感じることができる2冊の将棋本です。この2冊に関わった人たちは、もっと称賛されるべきだと思うわけです。そのためにぜひもっと売れてほしい。一般的な将棋本が読むのが疲れる、なんかいやだという人たちにぜひ読んでもらいです。

侍”(ざむらい)なんかも、それをイベント的な側面からやっているわけで、こうした新しい挑戦をする人たちが、もっと報われるような仕組みが作れるといいですね。

将棋部の書庫は将棋本が充実。その中でも級位者にNO1のオススメ本はマイナビさんの「将棋基本手筋コレクション432」

将棋って面白くもあり、しんどくもありというのが勉強しないと勝てない踊り場があるということ。普通のゲームとかだったら、何度もやっていくうちに上手くなるというのがあると思いますが、将棋ってちゃんと勉強していかないと成長効率が悪く、最悪の場合、永遠に同じレベルで止まってしまうっていうことがよくあります。
ということで、将棋部では専用の書庫を所有し、将棋勉強がいつでもできる、最先端のトレンドを抑えることができる環境にも力をいれています。

まあ、といってはみても、3段以上とかのレベルならまだしも、級位者は詰将棋と手筋とかをしっかりとやるという方法になるわけですが、問題はどんな本でやればいいのかというのが最初の悩みになりがちです。たくさんあるけど、どれ選んでいいかわからない。パラパラといろんな将棋本を見たけど、どれが自分に合っているか見当もつかない。そんな級位者の部員に今、絶賛おススメ中なのがマイナビさんの「将棋基本手筋コレクション432」。これ量が多いということもありますが、何度も解くだけで、最悪、丸暗記していきだけで、対局中の盤面を見る視野がぐっと変わる良本です。

後半とかになると、なかなかな問題もかなりでてきますので、有段者でも楽しめる内容。詰将棋やっているけど強くなれないと悩んでいる方に、オススメしたい本です。