お金をはらう、そして楽しみをもらう。これが普通の趣味の世界だが将棋はどうだろうか?

ディズニーが好きでディズニーランドに良くいきます。プロ野球が好きで、毎試合見に行きます。そんな趣味を楽しんでいる人は、世の中にはたくさんいるわけです。人生、楽しいことがあるってやっぱり素敵ですよね。そして、これらの趣味の世界でも、お金は使われて、世界を回す原動力のひとつになり、ある人たちの雇用も生み出します。継続するためには、お金をはらうかわりに、楽しみをもらう消費者と、お金をもらう代わりに楽しさを提供する業者が、それぞれ、うまい具合にバランスがとれたときに市場の「成長」や「維持」が実現します。

それに対して将棋はどうだろうか、と考えると非常に特殊です。将棋はほかの趣味と違って、とにかく勉強にしろ、対局して負けたときにしろ、しんどいなーと思うことが多いです。お金はらってしんどい思いする人なんていないわけで、それを超える楽しみを見いだせる一部の人たち、超少数派が市場のベースになっています。

最近はやりの”観る将”については、そういった意味では非常に趣味として健全で、たのしむ、ということに主眼が置かれており、これ構造的には正しい姿だったりします。

将棋の世界って、そう考えるとやはりプロ棋士ってとても重要なわけで、憧れのひとに会えた、一緒に対局してもらえた、みたいなところで満足を提供し、お金が動くようになるっていうのは、すばらしいわけですね。

将棋を指して楽しむ、というのは本当にスタンダードではあるのですが、指して楽しめる人って、そもそも勉強していて、成長を実感し、そして”勝てる”ことが楽しいわけです。勉強しても無駄で、いつも負ける、これが繰り返されて、お金を払って楽しもうなんて人はいないわけです。鬼強いCPU将棋と、100戦やって100敗して、あー、たのしかった、また明日もやろう、このソフト、また新作買いたいなーと思う人などおらず、やっぱり楽しませることを万人に提供しようと思うと、指すことをベースにしていく時点で、限界があります。

そもそもどんだけ勉強しても、相手がより勉強すると、相対的には弱いままであり、勉強が報われることはないわけです。ここもすごい構造として難しいですね。勝つと楽しい、でも、同じメンバー全員が勉強すると、50%の人は、努力したのに楽しくなくなってしまうわけです。しかも、お金をはらう。これは、もう消費者目線で考えるととんでもなくつらいですね。

プロ野球のファンの多くは、野球をまったくやっていない人です。もちろんやっていた人も多くいますが、野球を自分がやっていたから、みたいなところで、ファンの間で変な力関係が働くことはまったくありません。どれだけ、ひいきのチームを愛しているか、という点が重要であり、本人がどれだけ野球をやってきたから、そしてどれだけ成績を残したか、ではありません。野球をやってきた人も、まったくやってこなかった人も、うまい人も、下手な人も、自分が応援するチームが、頑張って、勝つ姿をみて、その感動を共有することが、ファンとしてつながっていれば、それでいいわけですね。

将棋のファンはどうかというと、ここはすごく幅広く分かれますね。共通しているのは、プロの人たちのことは興味がなく、自分がプレーすることに重きを置いている人がいるということ。この人たちは、どんな世界にもいて、ある意味では当然の存在なのですが、この層はどの市場においても消費量が少なく、市場規模は非常に小さなものです。メインはそっちではなく、やはり憧れに対するバイアスをもっている人たちです。

ファン向けのグッズ、ファン向けのイベント、こういうものは本来、どの市場でも非常に高い利益を生み、また労働集約型のモデルではなくなるので、利益率も高く、ここが成功するかどうかが、とても重要であるといえます。イベントは二次利用のコンテンツがビジネスとして成立するかどうかがカギで、ただのイベントだけだと、スケールしない、という点で、ここも悩ましいところです。プロ野球であれば、球場に来た人のチケット料金と、ついでに買っていくファングッズ、というだけでなく、そこに加えて放映権であったりが、利益として大きくなるわけです。しかも、ファンがみて、さらにファン化し、しかも一緒に見ている人も刷り込みによってファンとして増殖していくというおまけつきです。見ていて、楽しい、消費もする、さらに顧客も増える、楽しませることができるというのは、どの業界でも重要なことであり、しかも儲かることです。

お金を払って苦しい思いをさせる、これをどうやったらなくせるかは、非常に大きなポイントな気がします。ほんとうに観る将ってすごい大事な存在だかなと思うわけですが、その一方で、一部の将棋に興味はないのかな~という、お気に入りの女流の方たちのイベントにだけ足しげく通う人たちがいることも事実で、あっちの方向で行くと将棋である必要もなくなるわけで、またここも難しいですね。

みんな楽しくなるといいですね。その結果、業界全体が儲かるともっと良いと思います。

もしも将棋が今どきのカードゲームだったら。

将棋っておもしろい。率直にそう思うのですが、残念ながらポケモンカードや遊戯王といったカードゲームなどと比べると(お金を落とすような)ファンは少なく、儲かっていないのが現状です。

逆に言えば、今どきのカードゲーム的な発想で展開をしていったら、すごく儲かってしまって、さらにファンも増えていくのではという逆転の発想で考えてみるのもおもしろいのではという妄想です。

まず最近のカードゲームの特徴としては、以下のようなことがあります。

  1. 買った時にどんなカードが手に入るかはわからない(開けるまでどきどき)
  2. 毎月のように新しい能力カードが登場して、新しい戦略を練る必要がある(強い人が固定化しにくい)
  3. 勝つためには最新の強いカードを手にする必要があり、毎月新しいものを購入する動機づけがある(投資が継続)
  4. カードの絵柄が素敵でコレクション性がある(ライト層もお金を使う)

ざっと考えてみると、こんな感じな特徴があるわけで、つまり、みんなが欲しいと思う強い、新キャラを継続的に登場させて、それを欲しければ、たくさん買ってね、ということです。これを将棋に当てはめて考えてみると、さて、どうなっていくでしょうか。

まず、大会ごとに新しいコマが発売されて、未知な動き、能力を持つことになります。勝ちたいなら、まず買いなさい、となるわけですね。レギュレーションによって、この大会では、このシリーズの駒以外使えません、といったこともでてくるかもしれません。

新発売の玉として使える「右辺ダッシュ玉」は右に3つまで一度に進めるんだぜ、といったことも考えられます。飛車として使える「軍師飛車」であれば、龍になると、盤上の歩がすべて、と金に代わるといったこともあるかもしれません。そんなチートな駒を防ぐために、銀として使える「身代わり銀」なるものがあり、2枚の銀を相手の駒台に置くことで、盤上にある相手の駒をひとつ、対局終了まで使えない状態にするかもしれません。

勝ちたいなら、それはもう手にしないわけにはいかないわけで、狙いの駒がでるまで、たくさん買わざるを得ないですね。

さらに、こうした新キャラを使いこなすために、毎月のように新戦法が登場することになるのでしょう。新戦法を紹介するYoutuberな棋士も増えるかもしれませんし、子どもたちがこぞって見るかもしれません。

もちろん常軌を逸した話ではありますが、それでも「現代のカードゲームだったら」を考えると、将棋がどうして儲からないのかが少しだけ見えてきます。今の主流は”努力だけで勝つ”のではなく、”お金と時間を使えば誰でもある程度は楽しめる”ようにすることに重きを置いているわけです。それこそ、ゲームやらなくても、絵を見ているだけうれしい、コレクションだけで価値がある、なんていうのはその最たるものです。

今の将棋の魅力をちゃんと残しつつ、それでいて関わる人たちが増えていくビジネス圏を広げていける方法が見つかるといいですね。

日本将棋連盟が公益社団法人である以上、将棋をビジネスとして展開し、営利を追い求める別組織が新設されるべきなのではと思う話

すべての順位戦も終わり、この時期は将棋界は少しだけ落ち着き、ゆるりとした時間が流れますね。順位戦終盤の誰が上がるのかというところで、見逃せない一戦が続く毎日は楽しくもありますが、こういったゆるやかな時期もまた、楽しくありますね。

さて、今日はみんなご存知の将棋連盟についてですが、こちら、もう将棋と言ったら将棋連盟、というくらい、日本人であれば全員が思うところではないかと思いますが、将棋発展のためを思った時に気になる「公益社団法人」という位置づけについてです。

これはその名の通り、公益、公共、社会といった観点における利益を追求することが義務付けられている組織であるわけですが、そのため営利的な意味合いが強いものは、承認されるためには組織の外に出す必要があったりします。もちろん将棋連盟も、公益社団法人になるために、営利的な意味合いが強いものを外部に譲渡したり、事業としての内容なども調整が必要だったわけです。その結果、公益社団法人になり、大きな目線で見るとメリットは大きく、すばらしい結果になったともいえます。

しかし、その一方で将棋の”営利”、つまりビジネスとしての本気で取り組むことが構造上、どうしたってできない組織となったということであり、いま、将棋界において、ビジネスを本気で展開して、業界全体をけん引する組織がない状態になっています。もちろん、書籍でいえば譲渡先となったマイナビさんは、”将棋もやっている”という表現が適切な状態にあります。また、将棋ウォーズのHEROZさんなどは、AIをプッシュしているいるわけで、上場企業の宿命である、将来の成長性という点では、ゲーム分野においても世界展開を考えると、チェスと囲碁を成長エンジンにしたいというのは、どう考えても致し方ないところであり、決算説明資料をみても将棋をビジネスのメインとして考えているとはいえない状態にあります。つまり、本気で将棋でビジネスを何とかしようと思っている、それがメインの大きな組織がないということになるわけです。

公益を考え、文化として将棋をおしていく将棋連盟に加えて、将棋をビジネスとしてとにかく利益を生み出す、広げていくことを狙う組織があることは、将棋界を今後も継続させていくためには重要なことなのではと思っています。将棋ビジネスというと、将棋バーや、将棋道場、将棋スクールといった労働集約型の規模を拡大させにくいものがほとんどで、どちらかといえば現状の市場規模はそのまま、市場目線でみていくと現状維持を狙ったものが多いのが現状です。成長という観点をもった、人の欲を利用して育っていく資本主義的な事業プレイヤーがいません。

やはり多くの人に愛されるためには、関係者を増やす必要があります。そのためにも将棋に関わると儲かる、といった側面も作り、本気で将棋が好きな人たちが、将棋に集中できるだけの支援ができる環境を作るということも重要だと思います。

日本ではお金の話をするといやな顔をする方も多いですが、お金自体には善悪はありません。善悪をわけるものは、利益を生み出す過程でみんなを満足させたか、だましたりして不満を与えたかといった点です。そしてその利益を何に使うかです。公益社団法人 日本将棋連盟と双璧をなす、利益を追い求め、より市場規模、プレイヤーを増やすための活動を行う株式会社 日本営利将棋連盟、こういったものもあってもいいんじゃないかと思う次第です。

ものすごい儲かれば、職団戦も無料にできるかもしれません。無料で利用できる将棋サロンが各地に作れるかもしれません。それで利用者、ファンが増えれば、スポンサードする企業も増えて、広告費、協賛費ももっと大きなものになるかもしれません。

現状維持を目標にすると、だいたい縮小していくのが世の常です。もっと長く、そして広く、将棋が愛され、続くといいですね。そのためにも営利、考えるの大切な気がします。

将棋のプロ棋士の収入が10倍になったら将棋はもっと普及するはず

先日の朝日杯の藤井聡太七段、絶好調の渡辺明棋王を下しての2連覇、本当にすごかったですね。すごいすぎて周囲では相当な話題になっていたわけですが、テレビ、新聞など一般メディアの取扱量は明らかに減ってきていて、少し寂しい次第です。

渡辺明棋王なんて、去年から絶好調すぎて、細く、きれいに、すぱっと切れるあの将棋がもどってきていて、もっとここも騒がれてもいいのではとも思うんですが、そんな渡辺明棋王との公式戦初対局なわけで、さらに2連覇なわけですから騒ぐポイントはあるはずですが残念ながら地味な報道であったのが残念でなりません。

さて、ではなぜそうなったのかというと、やはりそろそろ飽きられているとまではいかなくとも、みんな慣れてきてしまっているというのが実態ではないでしょうか。藤井聡太七段が強いことに。でも、そんなのは当然お見通しだからこそ、 話題になりそうな記録係がついていたのに、わりとみんなスルーして話題にならないあたり、少し危機感を感じます。

やはりもっと根本、人気のベースを上げることをしないと、これはいけないのではないかと思うわけですが、そのためにあえて理想論からドリルダウンして考えてみたいと思います。まず、将棋のプロ棋士の収入を10倍にしたらどうなるのかです。ゲーム性はおもしろいところがあるわけですが、ルールを知らない人がみても、何をしているかわからないというのが将棋の最高に難しいところです。そこで、わかりやすく”お金”を使えないかというのは、現代社会においてはわりと機能する気もしています。

毎年年初になると、昨年度の獲得賞金ランキングが発表されますが、あれはニュースになりやすく、多くの人の目につきます。しかし、しかしです。あれをみて、どうかというと、将棋を知らない人たちからは「トップでこの金額か」と残念な反応が返ってきます。やはりプロ野球であったり、Youtuberであったりの収入と比べると、地味に見えてしまうのは致し方ないところです。

じゃあ、想像してみましょう。もし、あの単位が一桁多かったらどうか。みんなはどんな発表をするでしょうか。もちろん、大幅に何かがかわるわけではありませんが、少なくとも「将棋って儲かるんだ」というくらいには多くの人に知ってもらえるうえに、リーチできる幅も広がるはずです。

日本人的に考えると、質素倹約が美徳とされがちですが、人間である以上、多くの人が欲をもっていることは間違いはなく、またその欲を隠すことはできてもなくすことはなかなかできません。そうしたものを利用するためにも既存の枠のなかでの収益を確保していくだけでなく、もっと抜本的に、そして飛躍的にプロ棋士の収入が増える仕組みを作ることは、間接的ではありますが将棋普及にプラスに働くのではないでしょうか。

将棋のプロ棋士の収入を10倍にすることを考えると、タイトル戦を増やすであったり、既存のスポンサーの代わりをみつけるといった、オペレーター的な発想では実現は不可能なはずです。時間効率から考えて、同じ作業量で、10倍を手にできるためには、収益構造自体を大きく見直すところからはじめないと絶対に到達は不可能です。こうしたことをいうと、笑う人が多いというのは将棋界の少しだけ残念な点ですが、だれかがこうしたことを思い、目指す、行動していけば、将棋はもっともっと長く、そして広い世界で愛されるものになれるはずだと信じています。収入、やっぱり大切です。

どんな世界でも夢が壁をぶちやぶる原動力になる。将棋をメジャーなポジションに押し上げる夢とはいったんなんだろうか。

世界を変えるような”何か”というのは、そこに誰かの夢がつまっていて、その夢を見る人が多ければ多いほど、成功のインパクトは大きくなります。たとえば、もっと役に情報を手にしたい、もっといろんな人と簡単につながりたい、という夢をかなえたのはインターネットでした。普遍的であり、最大公約数的な世界中の人の夢をかなえる役割を得て、ものすごい速度で、急成長していきました。

夢には大きく2つあり、ひとつは自己実現としての他人の評価を必要としないストイックなもの。もうひとつは他者からの名声や収入によって相対的に良い生活ができるという俗的なものです。将棋はどちらかというと、ストイックな夢のタイプでいまは機能していて、「ただ好きなんです」という人たちの好意、善意によって回っているところが多く、俗物的な人たちをよせつけない小さな市場になっています。

俗物的な人たちというのは、世間一般ではマジョリティーであり、その人たちを取り込まない限り、大きな市場になることはありえません。こちらの路線でわかりやすい夢といえばは「時間」と「お金」です。人生で好きなことをできる時間と、好きなことを好きなだけやれるだけのお金が手に入るのであれば、国も、人種も、年齢も、性別も問わず、多くの人が、その夢にひかれてくるはずです。

野球の世界であれば、プロ野球選手になる=金銭的にも大きなものを手に入れるということを意味します。ただ、プレイヤー数と比較して、夢を実現できた成功者の数が少ないため、”効率”という観点で敬遠する人が多いのも事実ですが、たくさんの人に注目もされて、お金も入る可能性があるということで、一定の支持を得ているのが「プロ野球選手」という形の夢があります。

将棋界はどうかというと、そこにプロ棋士という存在があるわけですが、他の分野と比較して少し地味で、多くの人にちやほやされる、承認欲求を満たすようなものは少なく、また、単純に大金を稼げるのなら目指すというのも非常にまれであり、ほとんどの人は「好きな将棋を仕事にしたい」「将棋の良さを知ってほしい」という、欲の少ない、いうなれば謙虚な人が多く、夢の形としては非常にストイックな人たちのみにしか通用しないものになっています。

ひどい話をいってしまえば、「将棋は好きじゃないけど儲かるみたいだからやります」であったり「将棋ができるとモテるみたいだからやってみようかな」であったりと、そういった俗物的な夢を受け入れられる余地があると、メジャーなポジションは大きく近づきます。子どもも大人も、やはり生物としての本能的に「もてたい」であったり、「楽をしたい」であったりというのは共通してあるわけで、そうした欲も、夢として設定できるような懐の広い何かがあることも重要なのかもしれないと思います。(ただ、これをやると地味だから好きという、静かな趣味としての将棋が好きな人が離れる可能性があるのは難しいところ)

それこそ「プロ棋士の収入を全員2倍にする」「タイトル戦の賞金を3倍にする」といったシンプルな目標や、「将棋ビジネスを手掛けるとお金持ちになれる」「プロ棋士になれたら人生の成功者確定」といった事実など、そうしたものができてくるだけでも、また少し違ってくると思うので、ストイックに、そして謙虚にというだけでなく、より大きく、よりわかりやすい夢の設定というのは重要な施策のひとつだとも思う次第です。人の欲に働きかけるものは、残念ながら非常に強い、というのが世界の事実だからです。そういった俗的なものが好きかといわれると、むしろ個人的には嫌いだったりしますが、普及させたい、広げたい、大きくしたいという場合は、合理的なものとして、そういったものも利用しないといけないという意味でのお話でした。

次の将棋ブームはいつくるのか?

藤井聡太七段の活躍によって近年まれにみる将棋ブームが訪れたのは2017年。勢いは落ちてきたとはいえ、まだまだ将棋ブームが続いていることをうれしく思っている将棋ファンは多いのではいないでしょうか。

しかし、どんなものも栄枯盛衰。羽生善治竜王が巻き起こした以前のブームも、少しずつ下火になったのと同じように、今回も当然、いつかは終わりを迎えます。それはある意味でとても自然なことで、特に悲観するようなことではないわけですが、下火になったのであれば、またその次のブームを起こすため、というよりは、起こるための準備は当然していく必要があります。

ずばり、次の将棋ブームはいつくるのか?ということを考えていくと、これも過去から学ぶとわかりやすく、「とても強い超人的な人があらわれたとき」がこの手のブームのきっかけになります。羽生善治竜王が7冠を達成した時もまさにそうです。そう考えると、やはり、藤井聡太七段が初タイトルをとった時が、次のブームのスタートで、ピークは史上初の8冠達成の時でしょうか。

以前は7大タイトルでしたが、いまは8大タイトルとなっているだけに、網羅をすれば必ず「史上初」というわかりやすいコピーが使えるというのも、非常に魅力的です。いまは若手とベテランのせめぎあいの時期なので、タイトルホルダーも分散してしまい、「とても強い超人的な人」というのが、対外的には存在しないように見えてしまっているのが少しだけ残念なところですね。

ブームというもので一喜一憂するのは少しあれな気もしますが、とはいえ、将棋人口を増やすためには定期的なブームは必ず必要ですし、さらにはブームに頼らない地道な草の根の普及活動もとてもとても重要で、派手さと地味さのコラボレーションで、より将棋界が盛り上がっていくといいですね。次のブーム(藤井七段の初タイトル)、期待したいところです。

王座戦で中村太地王座が斎藤慎太郎七段に勝って1勝2敗で4局目へ

中村太地王座の初のタイトル防衛がかかる斎藤慎太郎七段との今回の王座戦。第三局は中村太地王座が勝って1勝2敗となり4局目へとすすみました。斎藤慎太郎七段にとっては初タイトルがかかる一局だっただけに残念な結果ではありましたが、中村太地王座にとっては初防衛へ向けたうれしい結果。どちらの見方で考えても将棋というのは悩ましいところがありますが、好局を追加でみれると考えると4局目、そして最終局へと進むのは将棋ファンとしてはうれしいところです。

それにしても今回の第3局はすごかったですね。力戦調で本当に激戦で見ている将棋ファンの多くは手に汗握っていたんじゃないでしょうか。プロの力戦は本当に見ていてわくわくしますね。次局もお二人の熱戦、楽しみですね。

今年の王座戦は中村太地王座に斎藤慎太郎七段の対局。華やかさは将棋そのものには関係ないけれど、将棋界全体でみたら大切だと思う話

将棋の秋が近づき対局も充実してきましたね。今年の王座戦は中村太地王座に斎藤慎太郎七段が挑戦するという、若手の華やかな雰囲気が注目を集めていましたが、第一局は斎藤慎太郎七段の勝利となりましたね。今後の残りの対局がとても楽しみです。防衛もしてほしいし、初タイトル獲得もしてほしい、将棋ファンって好きな棋士がひとりじゃないので、こういう時に悩ましいですね。

しかし、中継では都成竜馬五段も解説で登場されたということで、みんなわかっていますよね的な、暗黙知の共有的な何かがあっていいですね。

将棋そのものもとても面白いものですが、残念なのは直感的にそれは伝えにくいものであるということ。だからこそ、雰囲気、見た目、儀式的といった、本質からすればどうでもいいようなことも、しっかりやっていくことが重要なんだなと思わけで、そういった意味でも、もっと注目が集まってほしいのが、今年の王座戦です。中村太地王座、斎藤慎太郎七段、お二人ともがんばってほしいですね。

将棋ウォーズは将棋倶楽部24と同じ道を歩むのか?それとも?

いまやネット将棋の標準といえば「将棋ウォーズ」という感じになるくらい、安定的に利用者が多く、また知名度も抜群に高い状態になっています。

でも、数年前までは「将棋倶楽部24」が一番の地位的なものを占めていて、「将棋ウォーズ」というとなんとなく、初心者や弱い人がつかう方ですよねという、認知があったように思います。それがいまではどうなっているかというところを考えると、諸行無常を感じる今日この頃です。

そもそも将棋アプリ、ネット将棋のサービスは、将棋を打てればいいわけですから、本質的な価値に差はないわけですが、大きくゲーム性を変えたものとして棋神という、簡単に言えばチート機能が将棋ウォーズにあります。これがあったおかげで、逆にガチ将棋ファンからは、なんとなく下にみられていたわけですが、いまとなっては将棋ウォーズ側においても、高段者たちになると、あまりこの機能が使われいる感じはなく、どちらかというと、始めたばかりの人、中級者くらいまでの人の、将棋を楽しむアシスト機能的になっているように感じます。まあ、もちろん使うときはみんな使うんでしょうけど、何度か改修が加えられるなかで、棋神が前ほどの強さでなくなったことなんかも、こういう良いバランスを生んでいる気もするので、そこは運営者の皆さんの努力のたまものですね。すばらしいです。

将棋倶楽部24が、なんとなく高齢化が進み、なんとなく将棋好きを通り越して将棋フリークのみが使うプラットフォームとなった今、一般的な段位との差が大きくなりすぎて、初心者門戸を閉ざす結果となってしまったわけですが、これにより維持が基本で成長は難しい状態にあるように思われます。この状態は常に新しい人たちが入ってくることと、全体がちゃんと能力分布としてピラミッドになっていないとどこでも起こる現象なわけですが、将棋の場合、どうしても競技人口が少ないので、それが難しく、残念な結果になりがちです。そういった過去の先輩たちの問題を、将棋ウォーズは切り抜けることができるのかというのが、これからの注目ですが、やはりそこはAI、ボットくんたちがいい仕事をしているので、将棋ウォーズには末永く、将棋普及のプラットフォームとして機能してもらいたいところです。同じレベルの人がいないなら、ロボットで作っちゃえというわけですね。これ、競技人口が少ないプラットフォームを運営する中で本当に大切です。

今後、将棋ウォーズがどうなっていくのか、そういった目線でも注目したいですね。

豊島将之棋聖が誕生!初タイトル獲得でついにタイトル保持者の仲間入り

豊島将之八段がついにやりましたね。やっと、本当にやっと棋聖戦のタイトルを獲得して、ついにタイトル保持者の仲間入りを果たしましたね。これだけすごい成績を残していて、これだけタイトル戦の挑戦権を獲得して、挑み続けて、何度も跳ね返され続けての初タイトル獲得は、ファンも思うところがありますね。成績をみて、タイトルをもっていない、獲得したことがないというのがおかしい、棋界の七不思議のひとつでしたからね。本当に喜ばしいことです。おめでとうございます。

その一方で羽生善治竜王がタイトル通算100期がかかっていたこともありますし、そして簡単にいえば応援しない人がいないわけがないという人であることもあり、誰が喜ぶ一方で、悲しむ人が必ず出てしまうところが難しいところです。

豊島将之棋聖、羽生善治竜王、ともに大好きという人も多いと思うので、こういう好きな人同士の戦いというのはどちらが勝っても素直に喜びきれないというのがつらいところですね。