将棋のプロといえば、将棋が強いというのはみんなの想像通りですが、それがどれくらいなのかといわれると、将棋好きな一部の人を除けばほとんどの人がわからないはずです。そもそも将棋が好きな人でも、中級者以上にいかないとプロの指し手の意味や価値も、最終盤とかにならなかいぎり、理解できなかったりするわけで、そういった意味で将棋のプロの価値を興味がない人にも説明する材料というのはなかなかなかったりします。
しかも、強さという点でいえば電王戦の影響などもあり「コンピューターのほうが強いんでしょ?」というようなリアクションがでてくることもあり、強さだけでプロの価値を説明しにくい難しい局面に出くわすこともしばしばです。
そんな中で最近、永瀬拓矢七段のバナナをとにかく食べるというシンプルだけでインパクトがある行動、大橋貴洸四段のだれが見て普通じゃないと思えるいかしたファッションは、「普通じゃない」というのを多くの人に説明できる点において、将棋には関係ないかもしれないけれど”プロ”だなと思える要素になっていてがんばってほしいなと思ったという話です。
「対局中、朝も昼も夜もバナナたべるんだよ」というと将棋に関係なく話題になります。普通の人たちにまざっていかしたファッションをした人が映った写真を誰かに見せた時に「誰がプロだと思う?」といえば、きっと見つけてもらえるうえに将棋でなぜこのファッションなのかと話題になります。強さもいいけど、やっぱり話題性、話のタネになるものをもっている人は、みんなにそれ自体で良くも悪くも注目を浴びるわけで、賛否両論が巻き起こると思いますが、そこも含めて「話題にされている時点でプロとして勝ち」とおも思えるわけです。
普通のみため、普通の生活、普通の発言、すべて普通な人というのは害がないんですが、逆に言えば記憶に残らない、どうでもいい人ともいえます。人格的な面でひとクセあるような人は当然いるとしても、それはしゃべって、長く付き合わないとわからないし、そもそも不快な人とはつきあいたくない人というのは多いはずなので、人格面はまじめ、ふつう、謙虚というあたりがいいんだと思います。あんなにまじめなのに、なぜこのファッションなの?話は普通なのに食事をみていると普通じゃないのかな?という、だれも傷つけないあたり、永瀬拓矢七段のバナナや大橋貴洸四段のファッション、将棋界において非常に良い試みにみえます。
プロって強いことは大事ですけど、強いだけならソフトでいいわけで、こういった話題があることも、もっと評価の対象になってくると良いですね。