将棋のプロ棋士の収入が10倍になったら将棋はもっと普及するはず

先日の朝日杯の藤井聡太七段、絶好調の渡辺明棋王を下しての2連覇、本当にすごかったですね。すごいすぎて周囲では相当な話題になっていたわけですが、テレビ、新聞など一般メディアの取扱量は明らかに減ってきていて、少し寂しい次第です。

渡辺明棋王なんて、去年から絶好調すぎて、細く、きれいに、すぱっと切れるあの将棋がもどってきていて、もっとここも騒がれてもいいのではとも思うんですが、そんな渡辺明棋王との公式戦初対局なわけで、さらに2連覇なわけですから騒ぐポイントはあるはずですが残念ながら地味な報道であったのが残念でなりません。

さて、ではなぜそうなったのかというと、やはりそろそろ飽きられているとまではいかなくとも、みんな慣れてきてしまっているというのが実態ではないでしょうか。藤井聡太七段が強いことに。でも、そんなのは当然お見通しだからこそ、 話題になりそうな記録係がついていたのに、わりとみんなスルーして話題にならないあたり、少し危機感を感じます。

やはりもっと根本、人気のベースを上げることをしないと、これはいけないのではないかと思うわけですが、そのためにあえて理想論からドリルダウンして考えてみたいと思います。まず、将棋のプロ棋士の収入を10倍にしたらどうなるのかです。ゲーム性はおもしろいところがあるわけですが、ルールを知らない人がみても、何をしているかわからないというのが将棋の最高に難しいところです。そこで、わかりやすく”お金”を使えないかというのは、現代社会においてはわりと機能する気もしています。

毎年年初になると、昨年度の獲得賞金ランキングが発表されますが、あれはニュースになりやすく、多くの人の目につきます。しかし、しかしです。あれをみて、どうかというと、将棋を知らない人たちからは「トップでこの金額か」と残念な反応が返ってきます。やはりプロ野球であったり、Youtuberであったりの収入と比べると、地味に見えてしまうのは致し方ないところです。

じゃあ、想像してみましょう。もし、あの単位が一桁多かったらどうか。みんなはどんな発表をするでしょうか。もちろん、大幅に何かがかわるわけではありませんが、少なくとも「将棋って儲かるんだ」というくらいには多くの人に知ってもらえるうえに、リーチできる幅も広がるはずです。

日本人的に考えると、質素倹約が美徳とされがちですが、人間である以上、多くの人が欲をもっていることは間違いはなく、またその欲を隠すことはできてもなくすことはなかなかできません。そうしたものを利用するためにも既存の枠のなかでの収益を確保していくだけでなく、もっと抜本的に、そして飛躍的にプロ棋士の収入が増える仕組みを作ることは、間接的ではありますが将棋普及にプラスに働くのではないでしょうか。

将棋のプロ棋士の収入を10倍にすることを考えると、タイトル戦を増やすであったり、既存のスポンサーの代わりをみつけるといった、オペレーター的な発想では実現は不可能なはずです。時間効率から考えて、同じ作業量で、10倍を手にできるためには、収益構造自体を大きく見直すところからはじめないと絶対に到達は不可能です。こうしたことをいうと、笑う人が多いというのは将棋界の少しだけ残念な点ですが、だれかがこうしたことを思い、目指す、行動していけば、将棋はもっともっと長く、そして広い世界で愛されるものになれるはずだと信じています。収入、やっぱり大切です。

次の将棋ブームはいつくるのか?

藤井聡太七段の活躍によって近年まれにみる将棋ブームが訪れたのは2017年。勢いは落ちてきたとはいえ、まだまだ将棋ブームが続いていることをうれしく思っている将棋ファンは多いのではいないでしょうか。

しかし、どんなものも栄枯盛衰。羽生善治竜王が巻き起こした以前のブームも、少しずつ下火になったのと同じように、今回も当然、いつかは終わりを迎えます。それはある意味でとても自然なことで、特に悲観するようなことではないわけですが、下火になったのであれば、またその次のブームを起こすため、というよりは、起こるための準備は当然していく必要があります。

ずばり、次の将棋ブームはいつくるのか?ということを考えていくと、これも過去から学ぶとわかりやすく、「とても強い超人的な人があらわれたとき」がこの手のブームのきっかけになります。羽生善治竜王が7冠を達成した時もまさにそうです。そう考えると、やはり、藤井聡太七段が初タイトルをとった時が、次のブームのスタートで、ピークは史上初の8冠達成の時でしょうか。

以前は7大タイトルでしたが、いまは8大タイトルとなっているだけに、網羅をすれば必ず「史上初」というわかりやすいコピーが使えるというのも、非常に魅力的です。いまは若手とベテランのせめぎあいの時期なので、タイトルホルダーも分散してしまい、「とても強い超人的な人」というのが、対外的には存在しないように見えてしまっているのが少しだけ残念なところですね。

ブームというもので一喜一憂するのは少しあれな気もしますが、とはいえ、将棋人口を増やすためには定期的なブームは必ず必要ですし、さらにはブームに頼らない地道な草の根の普及活動もとてもとても重要で、派手さと地味さのコラボレーションで、より将棋界が盛り上がっていくといいですね。次のブーム(藤井七段の初タイトル)、期待したいところです。

藤井聡太七段が竜王戦決勝トーナメント1回戦で都成竜馬五段に勝利。安定感がすごいことになってきてますね

どんな対局も注目されるというすごいことになってきてきる藤井聡太七段が、竜王戦決勝トーナメントの初戦で都成竜馬五段と対局。見事に藤井聡太七段が勝ち切って2回戦に進出。もちろん前からすごいわけですが、それにしても最近の藤井聡太七段の安定感はすごいことになってきてますね。今年はまだタイトル戦の挑戦の可能性は3つ残ってますから、ひょっとしたらひょっとするかもというのを周囲に感じさせることができるというのは、注目が継続するという意味で非常に良いですね。

都成竜馬五段も相当に強かったと思うんですが、もう受けきりというか、素人目にみてももうすごい状態で、最終版は都成さんのメンタルを心配したファンの方も多いのではないでしょうか。都成竜馬五段も昨年度で順位戦で昇級を決めて、乗っているだけに、また他の対局でもがんばっていただきたいですね。

ついに増田康宏六段に!20歳で六段ってけっこうすごいことなのに藤井聡太七段がいることで霞んでしまうというのが恐ろしい

次代を担うであろうといわれて久しいプロ棋士のひとり、増田康宏五段がついに六段に昇段。非常にめでたいですね。まだ20歳ですからすごいスピードです。でも、つい先日、さらに圧倒的な若さで七段に到達した人がいることで、記録的に霞んでしまうのはなんとも恐ろしいことです。藤井聡太七段、まだ言いなれないですが、あっという間の七段到達。しかも八段への昇段基準も変更されることが検討されているようですし、最年少八段も時間の問題かもしれません。

羽生世代もそうですが、同世代で意識しあって高まったいく、突出した存在によって引っ張られていった結果、異常に強い層の厚い世代っていうのは、どんな競技にも存在します。増田康宏六段にもその一翼を担ってもらえるような存在になってくれることを期待したいですね。最近、発言がおとなしめになってきているのは、ファンとしては少しさみしいところですが。

今や将棋界で超有名棋士となった、藤井聡太六段の影響力

将棋についてほとんど知識が皆無の状態であっても、おそらく藤井聡太六段の名前は聞いたことがあるでしょう。ネットで「将棋 ニュース」と検索してみても、ニュースサイトの多くの記事に藤井聡太六段の名前がみられます。
しかも、試合の様子や結果はもちろん、試合の時の食事、ネクタイなど、将棋以外の部分もネットやテレビで多く取り上げられています。世間の彼に対する関心の高さが伺えますね。

こうした存在ってその業界を盛り上げる、すごく影響力がありますよね。実際、何かを始めるときに、その分野の超有名人に興味を持って、その分野にのめりこんでいくことってよくあるんじゃないかと思います。

将棋も、藤井壮太さんなどのような、超有名棋士、つまりアイコン的存在がいることにより、
将棋の話題に触れる頻度が高まり、将棋に関心を持つようになったという人が多くいるのではないかと思います。
最近では、藤井聡太六段だけでなく、先日1400勝を達成された羽生善治竜王や、ひふみんの愛称でおなじみでバラエティ番組でも大活躍の加藤一二三さんなど、将棋をよく知らなくてもみんながわかる棋士がたくさんいらっしゃいますね。
こうした方を通じて興味をもってもらうことで、将棋界がさらに盛り上がっていくことを期待します。

将棋・順位戦のA級プレーオフがかつてない面白い展開で目が離せない展開に

例年であれば名人挑戦者が決まっているころですが、今年のA級順位戦は6名によるプレーオフという史上初の事態というすごいことになりました。藤井聡太六段の活躍で、業界全体として盛り上がりを見せるなかで、このプレーオフの開催が起こるあたり、将棋界、しっかりもってますね。

A級順位戦でトップをひた走ってきた豊島将之八段と久保利明王将が初戦で対戦という、なんとも考えさせられるところからのスタートで、見事に豊島将之八段が勝利。その後、佐藤康光九段と広瀬章人八段を破り、3連勝で勢いを取り戻しつつある豊島将之八段。3月18日に、次の対戦相手となる羽生善治竜王との対戦ということで、3月いっぱいはまだまだ熱い対局で楽しませてくれそうです。

今年の将棋・名人戦の挑戦者がだれになるのか、今から楽しみですね。

藤井聡太五段が朝日杯で優勝して六段に昇段

2月17日に行われた朝日杯将棋オープン戦で優勝して昇段して、ついに藤井聡太六段になりましたね。ただ勝ったというだけでなく、また内容がすごかったですね。この日は羽生善治竜王、広瀬章人八段という超強豪との公式戦ですから、内容の強さも驚かされるものでしたね。特に決勝戦は終始、読みをリードし続ける展開でまさに圧巻でしたね。対戦相手のお二人とも強さは圧倒的なだけに、これは純粋に藤井聡太六段が強いという結果に尽きる出来事だった気がします。

そして今回のニュースも一般メディアでもけっこう露出されていたのが印象的です。やはり若いスターの登場というのはどの世界でも大切なものですね。今年も活躍に期待したいです。

ただ、今回は広瀬章人八段と久保利明王将が立場上、少しかわいそうでしたね。スポットライトが羽生善治竜王と藤井聡太五段に当たりすぎていて、こう、なんともですよね。致し方ないとはいえ、察するに余り有るものがあります。

順位戦で9連勝を決めてC級1組昇級が決定!加えて藤井聡太五段に昇段

先日のC級2組の順位戦での対局での藤井聡太四段と梶浦宏孝四段の対局。藤井聡太四段が勝利してついにC級1組昇級を決めましたね。9連勝で1年目で決めてしまうのはさすがですね。これで五段に昇段となり、将棋界全体としても非常にうれしいニュースです。ただ、個人的には梶浦宏孝四段を応援しているということもあり、この対局だけは非常に心がもやもやするものでした。中盤までは梶浦宏孝四段が優勢だと思われただけに、本当に残念です。でも、藤井聡太五段が勝つことは将棋界としては露出も増える良いニュースだと思いますし、やはりもやもやする状況です。今年は梶浦宏孝四段の昇級はなりませんでしたが、来年こそは達成していただきたいと心から思う次第です。

この対局以外にもA級の順位戦もあって、昨日は将棋ファンの皆さんは将棋三昧の一日だったのではないでしょうか。そのなかの豊島将之八段と三浦弘行九段との対局で、豊島将之八段が負けてさらに順位戦はさらに混とんとした状態になっており、こちらも目が離せない状態。今から最終局が楽しみですね。

B級1組で糸谷哲郎八段で昇級確定で来季はA級棋士。藤井聡太四段はひとつ抜けて8勝目でC級1組に単独首位

将棋の順位戦は毎年、年が明けると一戦一戦が非常に重い対局で、昇級者や降級者が決まるので目が離せません。先日は野月浩貴八段がB級2組で昇級きめましたが、今回は糸谷哲郎八段がA級への昇級確定。B級1組の残り人枠が誰になるかに注目が集まりますが、このままいくと阿久津主税八段、橋本崇載八段、谷川浩司九段の誰かになりそうですね。誰があがってもA級復帰組となりますね。そして注目が集まる藤井聡太四段は8勝目を挙げて単独首位に。このまま昇級できれば、将棋界全体としては良いニュースとなりそうです。残り数か月、毎対局が楽しみでなりません。

羽生善治竜王が国民栄誉賞の受賞決定

国民栄誉賞の受賞が決まった羽生善治竜王。ずいぶんと前からそういった話はあったけれど、なかなか決まらずにここまできましたが、ついに受賞となりましたね。本当にめでたいことです。将棋界全体として2018年も幸先の良いスタートとなりましたね。あとは藤井聡太四段の引き続きの活躍があれば、2018年も将棋人気は持続してくれるに違いありません。まずは順位戦でC級1組への昇級とタイトル戦での躍進を期待したいところです。タイトル戦の決勝で羽生善治竜王と藤井聡太四段がぶつかるなんてことなってくれたら、盛り上がりは最高潮に達するはず。2018年も良い年になりそうですね。