日本将棋連盟が公益社団法人である以上、将棋をビジネスとして展開し、営利を追い求める別組織が新設されるべきなのではと思う話

すべての順位戦も終わり、この時期は将棋界は少しだけ落ち着き、ゆるりとした時間が流れますね。順位戦終盤の誰が上がるのかというところで、見逃せない一戦が続く毎日は楽しくもありますが、こういったゆるやかな時期もまた、楽しくありますね。

さて、今日はみんなご存知の将棋連盟についてですが、こちら、もう将棋と言ったら将棋連盟、というくらい、日本人であれば全員が思うところではないかと思いますが、将棋発展のためを思った時に気になる「公益社団法人」という位置づけについてです。

これはその名の通り、公益、公共、社会といった観点における利益を追求することが義務付けられている組織であるわけですが、そのため営利的な意味合いが強いものは、承認されるためには組織の外に出す必要があったりします。もちろん将棋連盟も、公益社団法人になるために、営利的な意味合いが強いものを外部に譲渡したり、事業としての内容なども調整が必要だったわけです。その結果、公益社団法人になり、大きな目線で見るとメリットは大きく、すばらしい結果になったともいえます。

しかし、その一方で将棋の”営利”、つまりビジネスとしての本気で取り組むことが構造上、どうしたってできない組織となったということであり、いま、将棋界において、ビジネスを本気で展開して、業界全体をけん引する組織がない状態になっています。もちろん、書籍でいえば譲渡先となったマイナビさんは、”将棋もやっている”という表現が適切な状態にあります。また、将棋ウォーズのHEROZさんなどは、AIをプッシュしているいるわけで、上場企業の宿命である、将来の成長性という点では、ゲーム分野においても世界展開を考えると、チェスと囲碁を成長エンジンにしたいというのは、どう考えても致し方ないところであり、決算説明資料をみても将棋をビジネスのメインとして考えているとはいえない状態にあります。つまり、本気で将棋でビジネスを何とかしようと思っている、それがメインの大きな組織がないということになるわけです。

公益を考え、文化として将棋をおしていく将棋連盟に加えて、将棋をビジネスとしてとにかく利益を生み出す、広げていくことを狙う組織があることは、将棋界を今後も継続させていくためには重要なことなのではと思っています。将棋ビジネスというと、将棋バーや、将棋道場、将棋スクールといった労働集約型の規模を拡大させにくいものがほとんどで、どちらかといえば現状の市場規模はそのまま、市場目線でみていくと現状維持を狙ったものが多いのが現状です。成長という観点をもった、人の欲を利用して育っていく資本主義的な事業プレイヤーがいません。

やはり多くの人に愛されるためには、関係者を増やす必要があります。そのためにも将棋に関わると儲かる、といった側面も作り、本気で将棋が好きな人たちが、将棋に集中できるだけの支援ができる環境を作るということも重要だと思います。

日本ではお金の話をするといやな顔をする方も多いですが、お金自体には善悪はありません。善悪をわけるものは、利益を生み出す過程でみんなを満足させたか、だましたりして不満を与えたかといった点です。そしてその利益を何に使うかです。公益社団法人 日本将棋連盟と双璧をなす、利益を追い求め、より市場規模、プレイヤーを増やすための活動を行う株式会社 日本営利将棋連盟、こういったものもあってもいいんじゃないかと思う次第です。

ものすごい儲かれば、職団戦も無料にできるかもしれません。無料で利用できる将棋サロンが各地に作れるかもしれません。それで利用者、ファンが増えれば、スポンサードする企業も増えて、広告費、協賛費ももっと大きなものになるかもしれません。

現状維持を目標にすると、だいたい縮小していくのが世の常です。もっと長く、そして広く、将棋が愛され、続くといいですね。そのためにも営利、考えるの大切な気がします。

将棋ウォーズは将棋倶楽部24と同じ道を歩むのか?それとも?

いまやネット将棋の標準といえば「将棋ウォーズ」という感じになるくらい、安定的に利用者が多く、また知名度も抜群に高い状態になっています。

でも、数年前までは「将棋倶楽部24」が一番の地位的なものを占めていて、「将棋ウォーズ」というとなんとなく、初心者や弱い人がつかう方ですよねという、認知があったように思います。それがいまではどうなっているかというところを考えると、諸行無常を感じる今日この頃です。

そもそも将棋アプリ、ネット将棋のサービスは、将棋を打てればいいわけですから、本質的な価値に差はないわけですが、大きくゲーム性を変えたものとして棋神という、簡単に言えばチート機能が将棋ウォーズにあります。これがあったおかげで、逆にガチ将棋ファンからは、なんとなく下にみられていたわけですが、いまとなっては将棋ウォーズ側においても、高段者たちになると、あまりこの機能が使われいる感じはなく、どちらかというと、始めたばかりの人、中級者くらいまでの人の、将棋を楽しむアシスト機能的になっているように感じます。まあ、もちろん使うときはみんな使うんでしょうけど、何度か改修が加えられるなかで、棋神が前ほどの強さでなくなったことなんかも、こういう良いバランスを生んでいる気もするので、そこは運営者の皆さんの努力のたまものですね。すばらしいです。

将棋倶楽部24が、なんとなく高齢化が進み、なんとなく将棋好きを通り越して将棋フリークのみが使うプラットフォームとなった今、一般的な段位との差が大きくなりすぎて、初心者門戸を閉ざす結果となってしまったわけですが、これにより維持が基本で成長は難しい状態にあるように思われます。この状態は常に新しい人たちが入ってくることと、全体がちゃんと能力分布としてピラミッドになっていないとどこでも起こる現象なわけですが、将棋の場合、どうしても競技人口が少ないので、それが難しく、残念な結果になりがちです。そういった過去の先輩たちの問題を、将棋ウォーズは切り抜けることができるのかというのが、これからの注目ですが、やはりそこはAI、ボットくんたちがいい仕事をしているので、将棋ウォーズには末永く、将棋普及のプラットフォームとして機能してもらいたいところです。同じレベルの人がいないなら、ロボットで作っちゃえというわけですね。これ、競技人口が少ないプラットフォームを運営する中で本当に大切です。

今後、将棋ウォーズがどうなっていくのか、そういった目線でも注目したいですね。

将棋のプロ棋士に求められるのは”強さ”だけではない。 市場、ファンが求めているものを理解しないと将棋はどうやっても衰退していっちゃうと思うので、真剣に対策を考えいきたいなと思うこと

将棋ファンならみんなが気が付いていることのひとつにプロ棋士の若手の台頭があります。先日のAmebaの若手とベテランの7番勝負でも明らかですが、近年、20代の若手棋士がすごい勢いで台頭していきています。そして事実、とても強いですね。たしかに強さはとても重要なわけですが、将棋を後世に残していこうと思う時に重要なのは決して強さだけではないのではないか、それだけを求めていくと将棋そのものが衰退していっちゃうんじゃないかというような懸念を持っていまして、とても心配しています。

電王戦の結果をみても明らかですが、最近のCPUの将棋は非常に強く、プロ棋士すらも負かしてしまうほどです。もし、強さだけを追い求めていったならば、行きつく先はそこと同じものとなるわけですが、じゃあ、みんなが将棋ソフトのファンで応援しているかというと、まったくそんなことはありません。へー、強いね。すごいですね。そういうことは当然思うけど、だからといって将棋ソフトに会いたい、指導対局してほしいなんて風にはならないわけですね。でも、将棋ファンの間で大人気の木村九段は、もちろん強いけれど残念ながらタイトルには今一歩届かない状態が続いています。タイトルを獲得する一歩手前、挑戦するところまでは6回もいっているのに届いていないという方です。奨励会を突破してプロ棋士になったのも23歳と、圧倒的に遅咲きのグループです。それでも多くの将棋ファンは木村九段がイベントに現れると笑顔になり、そして指導対局の機会があれば狂喜乱舞してしまうわけです。この2つの事例から考えると、市場やファンが求めているのは結局のところ、強さだけじゃないというのがわかってもらえると思います。

市場のみんなが求めているのは結局、どのジャンルにおいても”共感”や”あこがれ”であり、強さはそのためのひとつの材料にすぎないというのが、こうした事例からわかってきます。以前、テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーがBIG4というものを作り、みんなが見たい、会いたいと思うような有名な選手を作ることがテニス界のために重要だと話をされていました。その意図というのは、強い人が分散すると、BIG4のようにわかりやすいアイコンとして認識しづらく、結果、テニス界への興味が減退してしまうというような話です。

「強くてみんなが憧れる上に共感もしちゃう」というようなプロ棋士を育て、アイコンとして機能するように仕組みの改善や、教育、そのプロ棋士のメディアなどへの露出量のコントロールなどを行っていくことが将棋界、全体を考えると必要なんじゃないでしょうか。なんとなく強い人がたくさんいますというだけでは、市場は受け入れてくれないはずです。そういった点では藤井聡太四段とかすごいぴったりですよね。こういう人が何人か登場して、全体で盛り上がっていくといいですね。

将棋の関連ビジネス、市場規模はどうやったら拡大するんだろうか

うちの会社にはスタッフが会社にもってきた、「主」のような将棋盤があります。なんと、利用開始から考えると軽く30年以上はたっている代物らしいのですがまだまだ現役で使えます。もう若い駒だと、明らかに風格負けしてしまって盤が駒を食ってしまうという問題があるものの、まだまだまだまだ活躍中です。この良いものが

消費者としては、それなりのものを買って大切に使えば、長く使えるというのはとてもありがたいことです。きっと環境にも良いので世界にとっても良いことです。

でも、ビジネスとしてはどうだろうかと考えると少し不安になります。

だって、数十年といったらもうそれはそれはすごい昔なわけで、テレビゲームでいえば、Atari 2600、インテレビジョン、ファミリーコンピュータ、スーファミ、メガドライブ、PCエンジン、プレイステーション、ゲームボーイ、3DS、Switchといったように、もう大変な数の名機たちがうまれ、たくさんの人たちが購入し、成功している企業は悪くない売上を上げることができてきたわけです。40年前のものが、いまだに現役で使えるって、これ消費者としてありがたい反面、ビジネスとしてとても心配になります。

職人的にしっかりとした仕事をしてくれている将棋盤や駒、関連商品を作っている人たちが継続していきたいと思ってもらえる環境や仕組み、そしてできれば新規参入者が増えるような魅力的な市場になるとうれしいなと思うんですが、そのためにはやはり普及あるのみなんですかね。何か良策あるといいなと思っています。