竜王戦の合間のA級順位戦の直接対決。羽生善治棋聖VS渡辺明竜王の対決はいろんな意味でドキドキしますね

竜王戦はタイトル戦のなかでも対局数が多いこともあり、期間中にもかなりの対局が入ります。昨日は今年の竜王戦のカードそのままに、羽生善治棋聖と渡辺明竜王がA級の順位戦の対局で対決。見事に羽生善治棋聖が勝ち切り、永世竜王に向けた次局にプラスの流れがうまれましたね。ファンという立場からすると、今年の竜王戦は因縁の対決というのもありますし、羽生さんの永世竜王、永世七冠がかかっているということで非常に注目が高いわけです。しかも、そこに加えて昨年からの三浦弘行さんの事件の関係で、A級棋士たちの間で、いろいろとあれこれある感じで、微妙な雰囲気もあり、そういういろんな背景もあってとにかくドキドキするわけです。しかも昨日は竜王戦の間ですからね。なんとなくここで勝つと、次の対局の時も流れが続いてしまいそうですし、お互い、次の対局のことも考えつつ、そうはいっても順位戦で全力出すような、非常に複雑怪奇な伏線がいっぱいあり、見ているファンはドキドキしたことでしょう。

しかし、今年は羽生さんが竜王戦、そして渡辺さんとの対局において鋭さが非常に増している気がするのは私だけでしょうか。年齢のことなどもいわれ、事実、対局の勝率などは下落傾向にありますが、渡辺さんとの対局の時はキレキレな印象で、その背景を考えると、いろいろと将棋ファンの間では、胸をあつくさせるものがあり、やはりドキドキしますね。次の竜王戦の対局は来週の月曜日と火曜日。今から楽しみですね。

将棋中継の解説はもっと本気で取り組めば、将棋普及の一助になるのでは?

全く将棋がわからない人に、どうやって興味をもってもらうかを考えていくと、普通に将棋を指すだけではなかなか難しいという問題にぶつかります。勝てなきゃたのしくないわけですが、勝つためにはたくさん勉強しないといけないわけです。さらに、結局、将棋を続けている人ってみんな強いので、将棋好きな人とやってもまず勝てないので、普及のハードルが高すぎるのは悩みの種です。

でも、昨今のネット系の将棋中継が増えてきたおかげで、将棋は指さない人も楽しめるポイント、解説というところから攻めるのはありそうだなと思ったという話です。これまで将棋中継は有料のケーブルテレビ系が多かったので、そもそも好きな人にしか見てもらえないという、良くないところに収斂されていくという構造にありました。ただ、AbemaTVをはじめとして、ネットで無料で見れるようなチャンネルがでてきてくれたおかげで「なんとなく見てみようかな」という人に訴求できるルートができました。これは大きいと思うわけです。
ここですごいツールがやっぱり棋士たちによる解説のところ。竜王戦の第三局の中川大輔八段と貞升南女流初段のポケモンGOのやりとり、まるでよくわかない話をされている父親が娘と会話をしているような感じで、なんとも楽しい気持ちにさせてくれましたよね。貞升南女流初段がポケGOやりすぎじゃないかという話がネットで話題になるくらい、わりとインパクトのある話だったわけですが、中川さんがわからないなりにやさしく対応し続ける、なんとも和み、さらに棋士に親近感をもてるやりとりでした。また、毎度のことではありますが、第四局では木村一基九段が解説に入って、もはや相手であってももたのしい雰囲気がひろがり、自虐的な夫婦ネタなどは、もはや将棋はまったく関係なく、みんなが楽しめるものでした。飯野愛女流1級とのやりとりも楽しんでいた人も多いはずです。しかも、木村九段の終盤の読みはずばりなもので、ほぼ木村九段の想定通りの流れで羽生さんが勝ち切ってしまったところは、将棋がわかる人ならさらに感動できます。

解説というと、すごく敷居が高い印象をされる人もいますが、持ち時間のタイトル戦などでは、本当に解説されている時間って終盤以外はそんなに多くないですよね。棋士の1週間であったり、食事系であったりといった話で、非常におもしろく、親近感をもてる良いコンテンツだと思っています。これ解説という表現じゃなくて、他に何かないものですかね。ここをしっかりと形にしていくと、棋士を通して将棋に興味をもってもらうってこともできると思うんですが。みんなに将棋界のおもしろさがもっと伝わるといいですね。

竜王戦で永世竜王に羽生さんついに王手。あと1勝で永世七冠も達成とあっては祈ってしまう人は多いはず

先日の竜王戦の第四局、羽生さんが勝利して永世竜王へ王手をかけましたね。前回のことがあるので3勝してもファンはまったく安心していないと思いますが、それでもやっぱりうれしい限りです。あと1勝、なんとか買って永世竜王になってもらいたいものです。渡辺竜王とそのファンの方たちには悪いのですが、それでもやはり今回は羽生さんに買ってほしいと思ってしまいます。

もし永世竜王をとったら永世七冠も同時に達成ですからね。将棋界全体で考えてもなんとしても達成したほしいものです。次回は12月4日、5日に鹿児島での対局。あと1週間、詰将棋でもしながら楽しみに待ちましょう。

藤井聡太四段が最速50勝。それにしてもすごい勝率と勝ち数ですね

藤井聡太四段が昨日の対局で勝ち、最速50勝を達成しましたね。これで、またひとつ偉大な記録を残したことになります。まだプロになってから1年もたっていないのに本当にすごい数値です。あっという間に五段、六段とかはいっちゃいそうですね。昔と比べると、棋戦の数も増えてますから一概に過去の人たちの比較はフェアではありませんが、それでもすごすぎる数字ですよね。勝率7割とかでも相当高いわけですが、なんと9割に迫る8割7分(40勝-6敗)という異常な数字。2位の豊島さんとかも8割越えですごいんですが、かすんでしまうほどの勝率です。まあ、あまり騒がれていないのが気になりますが、豊島さんとかも偉大な棋士まっしぐらなプロ棋士なわけですが、なぜか話題にならないのは気のせいでしょうか。すごいんですけどね。本当に。

しかし、藤井さんについても豊島さんについても、これから先、偉大になっていく若き棋士をリアルタイムで見れるというのはとても幸福な経験ですね。このまままっしぐらで突き進んでいただきたいです。

将棋のプロ棋士に求められるのは”強さ”だけではない。 市場、ファンが求めているものを理解しないと将棋はどうやっても衰退していっちゃうと思うので、真剣に対策を考えいきたいなと思うこと

将棋ファンならみんなが気が付いていることのひとつにプロ棋士の若手の台頭があります。先日のAmebaの若手とベテランの7番勝負でも明らかですが、近年、20代の若手棋士がすごい勢いで台頭していきています。そして事実、とても強いですね。たしかに強さはとても重要なわけですが、将棋を後世に残していこうと思う時に重要なのは決して強さだけではないのではないか、それだけを求めていくと将棋そのものが衰退していっちゃうんじゃないかというような懸念を持っていまして、とても心配しています。

電王戦の結果をみても明らかですが、最近のCPUの将棋は非常に強く、プロ棋士すらも負かしてしまうほどです。もし、強さだけを追い求めていったならば、行きつく先はそこと同じものとなるわけですが、じゃあ、みんなが将棋ソフトのファンで応援しているかというと、まったくそんなことはありません。へー、強いね。すごいですね。そういうことは当然思うけど、だからといって将棋ソフトに会いたい、指導対局してほしいなんて風にはならないわけですね。でも、将棋ファンの間で大人気の木村九段は、もちろん強いけれど残念ながらタイトルには今一歩届かない状態が続いています。タイトルを獲得する一歩手前、挑戦するところまでは6回もいっているのに届いていないという方です。奨励会を突破してプロ棋士になったのも23歳と、圧倒的に遅咲きのグループです。それでも多くの将棋ファンは木村九段がイベントに現れると笑顔になり、そして指導対局の機会があれば狂喜乱舞してしまうわけです。この2つの事例から考えると、市場やファンが求めているのは結局のところ、強さだけじゃないというのがわかってもらえると思います。

市場のみんなが求めているのは結局、どのジャンルにおいても”共感”や”あこがれ”であり、強さはそのためのひとつの材料にすぎないというのが、こうした事例からわかってきます。以前、テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーがBIG4というものを作り、みんなが見たい、会いたいと思うような有名な選手を作ることがテニス界のために重要だと話をされていました。その意図というのは、強い人が分散すると、BIG4のようにわかりやすいアイコンとして認識しづらく、結果、テニス界への興味が減退してしまうというような話です。

「強くてみんなが憧れる上に共感もしちゃう」というようなプロ棋士を育て、アイコンとして機能するように仕組みの改善や、教育、そのプロ棋士のメディアなどへの露出量のコントロールなどを行っていくことが将棋界、全体を考えると必要なんじゃないでしょうか。なんとなく強い人がたくさんいますというだけでは、市場は受け入れてくれないはずです。そういった点では藤井聡太四段とかすごいぴったりですよね。こういう人が何人か登場して、全体で盛り上がっていくといいですね。

11月17日将棋の日。大阪ではイケメン都成竜馬四段の女性限定の将棋講座が、そしてオンラインでは噂のハート将棋の販売予約の受付が開始されています

今日は11月17日。皆さんご存知のとおり「将棋の日」です。いろんなところでちょっとした将棋関連の商品のセールなどもやっている大切な日です。そして、大阪の大丸梅田では一部の女性たちを虜にしている都成竜馬四段による女性限定の将棋講座が開催されるそうです。さすが将棋の日ですね。ワンドリンクもつくそうで、すてきな将棋の講座になること間違いないのではないかと思われます。そして、噂のハード将棋も本日から予約が開始されています。BMJ将棋部も備品の充実を図るために1点、さきほど購入させていただきました。せっかくの将棋の日ですから、将棋三昧な一日をすごしたいものです。

■都成竜馬四段の女性限定の将棋講座
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000025003.html

■ハート将棋
http://www.naturliv.jp//shopdetail/000000000485/

将棋部の書庫は将棋本が充実。その中でも級位者にNO1のオススメ本はマイナビさんの「将棋基本手筋コレクション432」

将棋って面白くもあり、しんどくもありというのが勉強しないと勝てない踊り場があるということ。普通のゲームとかだったら、何度もやっていくうちに上手くなるというのがあると思いますが、将棋ってちゃんと勉強していかないと成長効率が悪く、最悪の場合、永遠に同じレベルで止まってしまうっていうことがよくあります。
ということで、将棋部では専用の書庫を所有し、将棋勉強がいつでもできる、最先端のトレンドを抑えることができる環境にも力をいれています。

まあ、といってはみても、3段以上とかのレベルならまだしも、級位者は詰将棋と手筋とかをしっかりとやるという方法になるわけですが、問題はどんな本でやればいいのかというのが最初の悩みになりがちです。たくさんあるけど、どれ選んでいいかわからない。パラパラといろんな将棋本を見たけど、どれが自分に合っているか見当もつかない。そんな級位者の部員に今、絶賛おススメ中なのがマイナビさんの「将棋基本手筋コレクション432」。これ量が多いということもありますが、何度も解くだけで、最悪、丸暗記していきだけで、対局中の盤面を見る視野がぐっと変わる良本です。

後半とかになると、なかなかな問題もかなりでてきますので、有段者でも楽しめる内容。詰将棋やっているけど強くなれないと悩んでいる方に、オススメしたい本です。

AbemaTVの将棋チャンネル、炎の七番勝負の第七戦で木村一基九段の勝利!トップ棋士が最後に意地見せる

先週の土曜日のAbemaTVの将棋チャンネル、炎の七番勝負の最終戦、皆さんはご覧になりましたか。ここまで若手に6連敗と、多くの方がなんともいえない微妙な気分になっていたことでしょうが、最後の最後に木村一基九段が近藤誠也五段に勝利して締めくくってくれて、いろんな関係各位の皆様もほっとされたのではないでしょうか。7連敗、全敗は、この手の企画としては正直、かなりきびしいですよね。そういった興行的、次回の企画のことを考えても何とかなったAbemaTVの将棋企画ですが、第七戦は最後の最後までひりひりする見事な対局でしたから、そういった意味でもみんなほっとした一勝だったんじゃないでしょうか。

そして将棋の対局内容も最後まで目が離せない熱戦でファンの皆さんは大満足だったはず。あの5四飛車は本当にしびれましたね。あの後の展開は、もう普通の人だと怖くて指せないレベルの形になっていましたが、しっかりと大丈夫な形を保ててるあたり、さすがは千駄ヶ谷の受け師ですね。見ていて楽しい対局でした。また、AbemaTVさんにはおもしろい将棋企画、やっていただきですね。

羽生善治棋聖の普及にかける思いが垣間見えるお話

将棋が好きな人はきっと将棋を応援している企業や団体を、さらに応援するはずです。abemaTVのサイバーエージェント、NHK杯のNHK、そして叡王戦のドワンゴと、こうした企業は応援せずにはいられませんよね。さて、今日はそんな中の1社、ドワンゴさんのニコニコニュースで素敵なオリジナル記事があったのでご紹介です。

タイトル戦とタイトル戦の合間に1日空いているとするじゃないですか? 普通は、そういう時は、休養にあてたり研究にあてたりしたいというのが当然だと思うんですけれども、羽生さんは何とかやり繰りして来てくれたりすることがよくあるんですよね。これは本当に想像できないですよ

引用|将棋の普及ために尽力する羽生善治棋聖のエピソード「タイトル戦の合間に、予定をやり繰りしてイベントに来てくれることがよくある」

去年から森内さんが将棋教室をはじめて、なんだかすごいプロ棋士の人たちが指導対局やらイベントなどで、教室によくいることが将棋ファンの界隈で話題になっていますが、これもやはり普及の一歩なのでしょう。そして、やっぱり羽生さんもそういうところがたくさんあるわけですよね。将棋の本とかだと、もう羽生さんの名前がついた本や、推薦に名前が貸し出されているのとかがすごい数に上っていますが、そういうところは羽生さん自身が、自分ができること、将棋界のために自分をどう使うかというところまで考えてのことなんでしょうね。

最近、ものすごい勢いで若手の世代、コンピューター将棋で研究を重ねている世代が台頭していますが、羽生さん、森内さんといった大御所はファンのなかではとても大きな存在。将棋の棋力、素敵な対局などももちろんファンとしては見たいですが、その姿を拝ませてもらえるだけで、同じ空間を共有させてもらえるだけで、また明日から将棋ファンを続けようと思ったりするほどの影響力があるわけですよね。いつまでも素敵な先生でいてほしいですね。

将棋を勝ち負けだけで競うゲームとしてではなく日本文化のひとつとして認知させていけないものか

将棋というとゲームでしょと思う人は意外に多い。そしてもちろんそれも正解なんですが、将棋好きの人たちの多くは、将棋を通しての文化的な側面も割と好きな人が多く、プロ棋士たちの戦いなんかも、そういうところが見え隠れするからこそファンは喜ぶなんてこともあるわけです。将棋って通常のゲームと比べると、暗黙のルールみたいなところが非常に多くあります。たとえば駒に玉と王がありますが、上位者が王を使い、下位の人が玉の将棋駒を使います。こういう細かいところがたくさんあって、それはなんだか面倒と思う人もいれば、こういう細かいところに奥ゆかしさを感じて文化的な魅力を感じる人もいたりするわけです。

将棋はゲームとしては、初見で強い、弱いがわからない、すごいと思えないという弱点があります。将棋の棋譜をみて、その凄さがわかる人というのは将棋の中級者以上に限定されるんじゃないでしょうか。そう考えると、ゲームとして勝負していくのは、普及という観点できびしすぎる。そうなるとやはり、もっと文化面を押していくべきではないでしょうかね。一部で大人気になっている漫画、アニメの「三月のライオン」なんてのは、まさにその流れのひとつであったりもすると思います。ハチワンダイバーの時はこんなにブームにならなかったけどね。やっぱり、ああいうノリでは主流なところはとれないんでしょうね。

日本の国技といえば相撲ですが、それと並ぶところに将棋をなんとかもっていけないものでしょうか。よくわからないけど、外国人が見てみたくなっちゃうみたいな、なんとなくカッコいいみたいな文化的な面をもっと強力に発信できたらいいなと思っています。なんとかならないでしょうかね。