竜王戦の合間のA級順位戦の直接対決。羽生善治棋聖VS渡辺明竜王の対決はいろんな意味でドキドキしますね

竜王戦はタイトル戦のなかでも対局数が多いこともあり、期間中にもかなりの対局が入ります。昨日は今年の竜王戦のカードそのままに、羽生善治棋聖と渡辺明竜王がA級の順位戦の対局で対決。見事に羽生善治棋聖が勝ち切り、永世竜王に向けた次局にプラスの流れがうまれましたね。ファンという立場からすると、今年の竜王戦は因縁の対決というのもありますし、羽生さんの永世竜王、永世七冠がかかっているということで非常に注目が高いわけです。しかも、そこに加えて昨年からの三浦弘行さんの事件の関係で、A級棋士たちの間で、いろいろとあれこれある感じで、微妙な雰囲気もあり、そういういろんな背景もあってとにかくドキドキするわけです。しかも昨日は竜王戦の間ですからね。なんとなくここで勝つと、次の対局の時も流れが続いてしまいそうですし、お互い、次の対局のことも考えつつ、そうはいっても順位戦で全力出すような、非常に複雑怪奇な伏線がいっぱいあり、見ているファンはドキドキしたことでしょう。

しかし、今年は羽生さんが竜王戦、そして渡辺さんとの対局において鋭さが非常に増している気がするのは私だけでしょうか。年齢のことなどもいわれ、事実、対局の勝率などは下落傾向にありますが、渡辺さんとの対局の時はキレキレな印象で、その背景を考えると、いろいろと将棋ファンの間では、胸をあつくさせるものがあり、やはりドキドキしますね。次の竜王戦の対局は来週の月曜日と火曜日。今から楽しみですね。

竜王戦で永世竜王に羽生さんついに王手。あと1勝で永世七冠も達成とあっては祈ってしまう人は多いはず

先日の竜王戦の第四局、羽生さんが勝利して永世竜王へ王手をかけましたね。前回のことがあるので3勝してもファンはまったく安心していないと思いますが、それでもやっぱりうれしい限りです。あと1勝、なんとか買って永世竜王になってもらいたいものです。渡辺竜王とそのファンの方たちには悪いのですが、それでもやはり今回は羽生さんに買ってほしいと思ってしまいます。

もし永世竜王をとったら永世七冠も同時に達成ですからね。将棋界全体で考えてもなんとしても達成したほしいものです。次回は12月4日、5日に鹿児島での対局。あと1週間、詰将棋でもしながら楽しみに待ちましょう。

藤井聡太四段が最速50勝。それにしてもすごい勝率と勝ち数ですね

藤井聡太四段が昨日の対局で勝ち、最速50勝を達成しましたね。これで、またひとつ偉大な記録を残したことになります。まだプロになってから1年もたっていないのに本当にすごい数値です。あっという間に五段、六段とかはいっちゃいそうですね。昔と比べると、棋戦の数も増えてますから一概に過去の人たちの比較はフェアではありませんが、それでもすごすぎる数字ですよね。勝率7割とかでも相当高いわけですが、なんと9割に迫る8割7分(40勝-6敗)という異常な数字。2位の豊島さんとかも8割越えですごいんですが、かすんでしまうほどの勝率です。まあ、あまり騒がれていないのが気になりますが、豊島さんとかも偉大な棋士まっしぐらなプロ棋士なわけですが、なぜか話題にならないのは気のせいでしょうか。すごいんですけどね。本当に。

しかし、藤井さんについても豊島さんについても、これから先、偉大になっていく若き棋士をリアルタイムで見れるというのはとても幸福な経験ですね。このまままっしぐらで突き進んでいただきたいです。

将棋のプロ棋士に求められるのは”強さ”だけではない。 市場、ファンが求めているものを理解しないと将棋はどうやっても衰退していっちゃうと思うので、真剣に対策を考えいきたいなと思うこと

将棋ファンならみんなが気が付いていることのひとつにプロ棋士の若手の台頭があります。先日のAmebaの若手とベテランの7番勝負でも明らかですが、近年、20代の若手棋士がすごい勢いで台頭していきています。そして事実、とても強いですね。たしかに強さはとても重要なわけですが、将棋を後世に残していこうと思う時に重要なのは決して強さだけではないのではないか、それだけを求めていくと将棋そのものが衰退していっちゃうんじゃないかというような懸念を持っていまして、とても心配しています。

電王戦の結果をみても明らかですが、最近のCPUの将棋は非常に強く、プロ棋士すらも負かしてしまうほどです。もし、強さだけを追い求めていったならば、行きつく先はそこと同じものとなるわけですが、じゃあ、みんなが将棋ソフトのファンで応援しているかというと、まったくそんなことはありません。へー、強いね。すごいですね。そういうことは当然思うけど、だからといって将棋ソフトに会いたい、指導対局してほしいなんて風にはならないわけですね。でも、将棋ファンの間で大人気の木村九段は、もちろん強いけれど残念ながらタイトルには今一歩届かない状態が続いています。タイトルを獲得する一歩手前、挑戦するところまでは6回もいっているのに届いていないという方です。奨励会を突破してプロ棋士になったのも23歳と、圧倒的に遅咲きのグループです。それでも多くの将棋ファンは木村九段がイベントに現れると笑顔になり、そして指導対局の機会があれば狂喜乱舞してしまうわけです。この2つの事例から考えると、市場やファンが求めているのは結局のところ、強さだけじゃないというのがわかってもらえると思います。

市場のみんなが求めているのは結局、どのジャンルにおいても”共感”や”あこがれ”であり、強さはそのためのひとつの材料にすぎないというのが、こうした事例からわかってきます。以前、テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーがBIG4というものを作り、みんなが見たい、会いたいと思うような有名な選手を作ることがテニス界のために重要だと話をされていました。その意図というのは、強い人が分散すると、BIG4のようにわかりやすいアイコンとして認識しづらく、結果、テニス界への興味が減退してしまうというような話です。

「強くてみんなが憧れる上に共感もしちゃう」というようなプロ棋士を育て、アイコンとして機能するように仕組みの改善や、教育、そのプロ棋士のメディアなどへの露出量のコントロールなどを行っていくことが将棋界、全体を考えると必要なんじゃないでしょうか。なんとなく強い人がたくさんいますというだけでは、市場は受け入れてくれないはずです。そういった点では藤井聡太四段とかすごいぴったりですよね。こういう人が何人か登場して、全体で盛り上がっていくといいですね。

AbemaTVの将棋チャンネル、炎の七番勝負の第七戦で木村一基九段の勝利!トップ棋士が最後に意地見せる

先週の土曜日のAbemaTVの将棋チャンネル、炎の七番勝負の最終戦、皆さんはご覧になりましたか。ここまで若手に6連敗と、多くの方がなんともいえない微妙な気分になっていたことでしょうが、最後の最後に木村一基九段が近藤誠也五段に勝利して締めくくってくれて、いろんな関係各位の皆様もほっとされたのではないでしょうか。7連敗、全敗は、この手の企画としては正直、かなりきびしいですよね。そういった興行的、次回の企画のことを考えても何とかなったAbemaTVの将棋企画ですが、第七戦は最後の最後までひりひりする見事な対局でしたから、そういった意味でもみんなほっとした一勝だったんじゃないでしょうか。

そして将棋の対局内容も最後まで目が離せない熱戦でファンの皆さんは大満足だったはず。あの5四飛車は本当にしびれましたね。あの後の展開は、もう普通の人だと怖くて指せないレベルの形になっていましたが、しっかりと大丈夫な形を保ててるあたり、さすがは千駄ヶ谷の受け師ですね。見ていて楽しい対局でした。また、AbemaTVさんにはおもしろい将棋企画、やっていただきですね。

羽生善治棋聖の普及にかける思いが垣間見えるお話

将棋が好きな人はきっと将棋を応援している企業や団体を、さらに応援するはずです。abemaTVのサイバーエージェント、NHK杯のNHK、そして叡王戦のドワンゴと、こうした企業は応援せずにはいられませんよね。さて、今日はそんな中の1社、ドワンゴさんのニコニコニュースで素敵なオリジナル記事があったのでご紹介です。

タイトル戦とタイトル戦の合間に1日空いているとするじゃないですか? 普通は、そういう時は、休養にあてたり研究にあてたりしたいというのが当然だと思うんですけれども、羽生さんは何とかやり繰りして来てくれたりすることがよくあるんですよね。これは本当に想像できないですよ

引用|将棋の普及ために尽力する羽生善治棋聖のエピソード「タイトル戦の合間に、予定をやり繰りしてイベントに来てくれることがよくある」

去年から森内さんが将棋教室をはじめて、なんだかすごいプロ棋士の人たちが指導対局やらイベントなどで、教室によくいることが将棋ファンの界隈で話題になっていますが、これもやはり普及の一歩なのでしょう。そして、やっぱり羽生さんもそういうところがたくさんあるわけですよね。将棋の本とかだと、もう羽生さんの名前がついた本や、推薦に名前が貸し出されているのとかがすごい数に上っていますが、そういうところは羽生さん自身が、自分ができること、将棋界のために自分をどう使うかというところまで考えてのことなんでしょうね。

最近、ものすごい勢いで若手の世代、コンピューター将棋で研究を重ねている世代が台頭していますが、羽生さん、森内さんといった大御所はファンのなかではとても大きな存在。将棋の棋力、素敵な対局などももちろんファンとしては見たいですが、その姿を拝ませてもらえるだけで、同じ空間を共有させてもらえるだけで、また明日から将棋ファンを続けようと思ったりするほどの影響力があるわけですよね。いつまでも素敵な先生でいてほしいですね。

竜王戦は渡辺竜王が一勝を勝ち取り次の第4局へ

週末の竜王戦、多くの方が盛り上がっていたんではないでしょうか。AbemaTVのおかげで将棋の生中継がぐっと身近なものになったわけですが、竜王戦ものもれなく生中継。羽生さんが2連勝しての3戦目は、渡辺竜王が1勝目をあげて次の第四局目へと進むことになりましたね。

あの銀打ち、とても悔やまれます。ああ、あそこからもう一度打てたら…と、見ていて思う対局でした。無論、私が打っていたわけではありませんが…。 渡辺さんファンには本当に申し訳ないですが、永世竜王、羽生さんにとってもらいたいという気持ちが強すぎて、見ていて公平に応援ができなすぎてつらいですね。

さて、次は新潟となるわけですが少し日があいて11月23日(木)と24日(金)に開催。ここまで毎週、そして週末に行われたので間が空いてしまうのは少し残念ですが、気持ち的にたてなおせるチャンスという風に考えると、今年の羽生さんはある意味もっているかもですね。永世竜王、獲得してほしいです。

 

森内九段が紫綬褒章!おめでとうございます!

森内俊之九段が紫綬褒章を受章されましたね。将棋界においては春の佐藤康光九段に続いてのうれしいニュースです。永世名人の称号を手にしている方ですからね。将棋ファンの多くの方たちが祝福で二日酔いになっているのではないでしょうか。ただ、佐藤康光九段、森内俊之九段と続くと、次はあの方では…と少し考えてしまいますよね。最近、藤井聡太四段のおかげもあって注目が集まっていますから、ここは終盤的な感じでどんどんいろんな賞を、将棋界の方がとっていただけると普及の助けにもなるはずでうれしい限りです。

竜王戦で羽生さん2連勝!第二戦は本当に強かった

竜王戦の第二戦、終わりましたね。羽生さん勝ちましたね。渡辺さんと渡辺さんのファンの方たちには申し訳ないですが、今回は羽生さんに勝ってもらいたいと心底思っています。ここまで来たら永世竜王の称号を羽生さんにとってほしい。多くの将棋ファンが思っているんじゃないでしょうかね。そして、今回の第二戦、劇的に強かったですね。崩されることのない、完勝な状態で多くの人が驚いたはず。中村さんとの王座戦の時も、今年は竜王戦一本に絞ってのぞんでいるんじゃないか的な話は一部でありましたが、この結果見ると本当にそうなのかもと思ってしまうほどですね。(もちろんそんなことはないと思いますが…)

ただ、以前の悪夢の4連敗もあるのでファンも含めて楽観視、安堵している人はだれもいないのではないでしょうか。今年の竜王戦、最後まで目が離せそうにありません。

 

藤井聡太四段の高校進学が決定。あえて違う世界も持ち続けるって大成するためには大切なことのひとつ

絶賛大人気中の藤井四段、ついに高校進学を決めましたね。ひょっとしたら将棋に専念するんじゃないかとか、そういった話もありましたが、将棋ファンとしても素直にうれしいです。正直、将棋だけをやりつづけるというのは、気持ち的に逃げ場がないですからね。そういう逃げ道があるのが弱さにつながるんだという人もいると思いますが、多少は違う世界をもっていないと、どんどん追い込まれて、負のループにはまる人ってやはり少なくないですからね。奨励会で負けが続いて、気持ちを立て直せずにスランプになって降級となった人たちって結構います。

高校に行っても将棋を勉強する時間は確保できるので、効率を重視すれば大丈夫なはずです。

仕事でもそうですが結局はインパクトの強い、効率的なことを集中的に、そして継続的にできるかなので、だらだらと長時間、同じことをやっている人よりも短時間で成長することは不可能ではありません。ひとつの世界しか知らないと、視野や発想が袋小路に入った時に抜け出るチャンスが見つかりにくいものです。大きく育つために、あえて違う世界も持ち続けてほしいですよね。